4. 発信の素材は「棚卸し」で

はじめに

言葉は、いきなり整うものではありません。

伝えようとしたときに詰まったり、まとまらなくなったりする背景には、
自分の中にある「材料」が、まだ「見える形になっていない」という理由があります。

言葉にするということは、思考や感覚を可視化する「翻訳」のプロセスです。
その翻訳を成立させるためには、まず「何を翻訳するのか」を把握する必要があります。

ここが、言葉の構築プロセスの最初のステージになります。

確認の必要性

自分が何を感じ、考え、理解しているのか。

これらは、普段は無意識の層にあります。
言葉にしようとした途端に難しくなるのは、言語化する前段階で、この無意識層にある思考の確認が行われていないためです。

ここでいう確認とは、「ある/ない」を、なんとなく見ることではありません。
自分の内側にあるものを、冷静に、能動的に見に行く行為 です。

自分が何を伝えたいのか。
それに関連する知識、情報、経験をどれだけ持っているのか。

これらを一度「棚卸し」します。

この時に注意するのは、次の3点:

  • 評価しない
  • 批判や否定をしない
  • 不足を探さない

「今ここにあるもの」を現実的に見ていくことです。

棚卸し項目

棚卸しで確認するものは、次の4つです。

  • 知識量
  • 語彙力
  • 届ける相手
  • 状況(TPO)

知らないこと、理解が浅いことを、語彙や言い回しで補うことはできません。

確認作業としての「自分の棚卸し」は、自分を偽らないは発信をするために大切な工程です。
ここは、自分の内側にある言葉の材料の所在を明らかにする工程です。

棚卸しの注意点

「棚卸し」をしていると、自分の不足部分に意識が向くことがあります。

「知識/情報が足りない」
「語彙が弱い」
「表現が単調だ」
といった不備不足に意識が向くと、その「何か」を探しに行ってしまうのです。

こうしたインプット・モードに切り替わると、その結果として、肝心の動きが止まってしまいます。
しかし、私たちがしたいのは アウトプット です。

インプットに意識が移行してしまっては、本来の目的から外れてしまうわけです。

棚卸しでは、自分が持っているものの
過不足を評価しないことがとても大事です。

そして、次のステージへ

書き始める前に、話し始める前に、
発信の目的を定め、「自分の中にあるもの」を冷静に確認する。

それだけで、言葉は次の段階へ進みます。

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